バルーチ (Balouch or Baluchistan) = 部族名および地名

バルーチ地図
バルーチは部族名だけでなく、地名としても使われています。厳密に言うと、部族名を指す場合はBalouchであり、地名の場合はBaluchistan(地図上、黄色部分。正式名称はしスターン・バルーチスターン:Sistan and Baluchistan。赤色の部分は首都テヘラン:Tehran)となります。双方とも略して、バルーチと呼ばれることがほとんどです。ちなみにBaluchistanはイラン・アフガニスタン・パキスタンをまたいだ地域を指すことから、大変特殊であると言えます。そのため、バルーチという地名はイランにも、アフガニスタンにも、パキスタンにも存在するのです。

これは、紀元後1000年頃にバルーチ族がこの地域に移民してきたためであり、彼らの部族名がこの地に付けられたことに由来しているのです。このためバルーチのキリムには、イラン産・アフガニスタン産・パキスタン産と3種類のものが存在しているのです。

バルーチ族の男性

バルーチ族の男性

バルーチのキリム

バルーチのキリム


バルーチのキリムは、縦糸は綿もしくはウール、横糸にはウールが使われています。色合いは非常に落ち着いたものであり、地味な茶や深い紫・赤などが綿の白色への対比としてよく使われています。バルーチの織りの技術と色使いは非常に繊細であり、多くの手間と材料を使い織り上げられています。バクティアリのキリムとともに、キリムの中でも最高峰の一つと言っても過言ではありません。