キリムの糸の紡ぎ方

 

キリムに使われる糸の紡ぎ方には、手紡ぎと機械紡ぎ(紡績)の大きく2つの種類が存在します。それぞれの特徴についてご説明します。

手紡ぎ (Hand Spun)


手紡ぎとは、その名の通り機械ではなく手で糸を紡ぐ方法です。以下がその主な特徴です。

  • 一本の糸の太さが一定にならず、太い部分と細い部分ができる
  • 誰にでもできるものではなく、熟練の技術が必要とされる
  • 手紡ぎの糸を草木で染めた際、素晴らしい色ムラ(アブラッシュ)が生まれる
  • 手間と時間が掛かる
手紡ぎの最大の特徴は、草木染を行った際アブラッシュと呼ばれる色ムラ(自然のグラデーション)が生まれることです。この色ムラがある糸が使われているかいないかで、キリムの価値は大きく変わります。なぜなら、この色ムラがあるということは手紡ぎの糸を草木染したという証となるからです。ですからアブラッシュはキリムの価値を判断する非常に重要な要因として扱われています(アブラッシュの詳細については、アブラッシュの項目をご参照ください)。
 
手紡ぎの様子
手で糸を紡ぐ女性

現在糸を手で紡ぐことは、手間が掛かること・熟練の技術が必要とされることからほとんどされなくなっています。今日、新しく織られているキリムのほとんどに使われている糸は機械紡ぎのものです。なお、オールド(製作から50年以上経過したものの称号)以上のキリムには手紡ぎの糸が使われているものが多いのです。

機械紡ぎ (Machine Spun)


機械紡ぎとは、その名の通り機械で糸を紡ぐ方法です。以下がその主な特徴です。
  • 糸の太さが一定になる
  • 紡ぐのに熟練の技術を必要としない
  • 手間と時間が掛からない
機械紡ぎの様子機械紡ぎは機械が行うわけですから、機械の操作方法さえわかれば誰にでもでき、かつ糸の太さが一定になるという特徴があります。そのため、糸を紡ぐ技術力のある人を必要とせず、また手間と時間が掛からないことから、生産コストを下げることができるのです。ですから、販売目的で作られたキリムには、この機械紡ぎの糸はうってつけなのです。

しかし、味わい深さやその趣は手紡ぎの糸にはるかにおよびません。そのため、世界中のキリムマニアはこぞって手紡ぎの糸で織られたキリムを探し求めているのです。(右は機械紡ぎの様子)